空手の広がりに伴う流派によるスタイルの違い
沖縄に起源を持ち今や世界へと広がった空手ですが、その発展は多種多様な流派を生み出しました。各流派には独自の形(かた)や技術があり、特色と精神性に差が見られます。、その流派も多様化し、それぞれ独自のスタイルを確立していきました。沖縄伝統の手から派生した各流派は、技の形(かた)や組手の方法などにおいて、特色を持つようになりました。一つの技に対しても、各流派の解釈や実践の仕方は異なり、見た目にも大なり小なりの差異が認められています。
普及型Ⅰの誕生
1941年、空手の普及と発展を目的に沖縄県知事の指示で空手道専門委員会が設立されました。この委員会のもと、首里・泊手系の技術を継承する長嶺将真師範が中心となり、初心者でも学びやすく、各流派で基本的に統一された形、「普及型Ⅰ」が生まれます。
空手の基礎教育のために創められた「普及型Ⅰ」は、空手技の基本である受けや突きの動作を組み込んだ型です。沖縄の空手指導者たちが頭を悩ませた結果、空手の普及拡大のためには、流派を超えた共通の初歩教育方法が必要となり、この型が誕生したのです。
空手の基本は「普及型Ⅰ」から始まる。まずは普及型Ⅰから学ぼう
空手を学ぶ上での出発点とも言える「普及型Ⅰ」は、基本技術の習得を目指しています。空手の深い理解には、この型から学び始めることが大切であり、空手の各種技能を習得するための礎となる型といえるでしょう。空手の基本原理を理解するのに、初心者はこの型から空手の道を歩み始めるべきです。世界中の空手家がこの型を学び、基本を身に着けています。
初心忘るべからず
高度な技を極めるにしても、空手の本質を把握し続けるためには、基本型の継続的な稽古が欠かせません。空手においも基本は極めて重要であり、どれだけ上達しても基本技術の修練と向き合う必要があります。「普及型Ⅰ」には空手の基本動作が凝縮されているため、日々の練習においても常にこの型に立ち返り、技の質を高めることが重要になります。
普及型Ⅰ 分解図解説
普及型Ⅰを図解します。 基本の構えや動きについての解説は別記事にて参照ください。
一礼の後 ①結び立ちの姿勢から始まります。 ②左に向きを変え、前屈立ちで左下段払い
③右足を前に出し自然立ちで追い突き ④体を右から反転させ、右真横を向いて前屈立ち下段払い
⑤左足を前に出し、中段追い突き ⑥正面を向いて前屈立ちで左下段払い
⑦右足を前に出し、自然立ちで右中段追い突き ⑧左足を前に、自然立ちで左中段追い突き
※足を前に移動するときには、すり足で円を描く様にして前に出します
⑨もう一歩右足を踏み出し、自然立ちで右中段追い突き ⑩左側へぐるりと225度(後方斜め左45度)体を回転させ、前屈立ちで左下段払い
⑪右足を前に出し、自然立ちで右上げ受け ⑫今度は右側へ後方45度の斜め角度で右足前の前屈立ちで右下段払い
⑬そのまま斜め45度の角度で左足を前に、自然立ち左上げ受け ⑭後ろ真正面に向きをずらすと同時に、右中段逆突き
⑮右足をすり足気味に円を描く様に前に出し、自然立ち左中段逆突き ⑯同様に左足を前に、右中段逆突き
⑰同様に右足を前に、左中段逆突き ⑱左側へぐるりと225度(正面斜め左45度)体を回転させ、前屈立ちで左下段払い
⑲右足を前に自然立ちで、右上段追い突き ⑳右正面斜め45度へ向きを変え、前屈立ち右下段払い
㉑左足を前に自然立ちで、左上段追い突き ㉒最初の結び立ちの姿勢に戻ります ・・・礼
(参考記事)
「受け」こそ空手の基本 空手の受けの基本を徹底解説! 【上げ受け (上段受け)】図説有
「受け」こそ空手の基本 空手の受けの基本を徹底解説! 【中段 内受け】図説有
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