空手道着の歴史
空手道着の歴史は、空手の歴史と深く関わっています。空手は、沖縄で発祥した武術で、その起源は15世紀頃にまで遡ります。当時の空手の修行者は、動きやすい服装で稽古を行っていました。
1922年、船越義珍が柔道の創始者である嘉納治五郎(右写真)に招かれ、講道館で開かれた体育展覧会で演武をしました。この際に、船越は柔道着を真似て稽古着を作り、柔道の帯を締めて演武を行いました。これが、空手道着の始まりとされています。
その後、空手道着は徐々に普及し、現在では空手を行う際に欠かせないアイテムとなりました。空手道着は、空手の型や組手を行う際に、動きやすさや安全性を高めるために重要な役割を果たしています。
空手道着の進化
空手道着の形状は、時代とともに変化してきました。初期の空手道着は、柔道着に似た形状でしたが、徐々に改良が加えられ、現在のような形状になりました。
空手道着の素材は、綿やポリエステルなどの天然繊維や化学繊維が用いられています。綿は吸湿性や通気性に優れているため、型稽古に適しています。ポリエステルは耐久性に優れているため、組手稽古に適しています。
空手道着には、型用と組手用があります。型用は厚手の生地で作られており、動きに重みと安定感を与えます。組手用は薄手の生地で作られており、動きやすさを重視しています。
空手道着は、空手を上達させるためには欠かせないものです。自分に合った空手道着を選んで、空手を楽しみましょう。
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空手道着の種類と選び方
道着の種類
空手道着には、大きく分けて「型用」と「組手用」の2種類があります。
型用
型用の空手道着は、空手の型を実践する際に着用されます。型とは、空手の基本的な動作が組み合わさった一連の流れのことを指します。型用の道着は、一般的に厚手の生地で作られており、動きに重みと安定感をもたらします。また、この厚手の生地は、打撃や蹴りなどの技を行う際に特有の音を響かせることができます。伝統派空手では、型の美しさが重要視されますが、ひとつひとつの動作に風を切る様な音がする事で、型が見栄えするという効果があります。生地の素材や厚みによって、こうした音の響きや動きやすさが異なります。
組手用
組手は相手との接触が伴い、激しい動きや技の繰り返しを含むため、動きやすさと耐久性が求められます。以下に、組手用の空手道着の特徴を紹介します:
- 適度な厚さと重さ:組手用の道着は、厚すぎず薄すぎないバランスの取れたオールラウンドなタイプがおすすめです。これにより、動きやすさと耐久性を両立させることができます。
- 耐久性と柔軟性:組手向きの空手着は、耐久性が高く、同時に動きやすさを提供します。これにより、激しい練習や競技に対応できます。
- 軽量な設計:組手用の空手道着は型用に比べ薄手で軽量なため、小さな子供たちでもスムーズに動くことができます。
組手用の空手道着は、型と組手の両方で使用したり、練習にも適しています。適切な組手用の道着を選ぶ際には、自分のスタイルや目的に合った快適な道着を選ぶことが大切です。
道着選びのポイント
空手道着を選ぶ際には、以下の点に注意するとよいでしょう。
用途で選ぶ
前述の通り型用と組手用では、生地の厚さや質感などが異なるため、用途に合わせて選びましょう。競技や試合でも使うのか、練習用としてだけ使い分けるのか、そのあたりも見越して選びましょう。
サイズは少し大きめで・・・
空手着は、購入後に洗濯すると縮むため、少し大きめのサイズを選ぶとよいでしょう。
特にこれから成長するお子さんの道着についてはなおさら、大きめのサイズを選びましょう。
デザイン
サイズは大きめを選んだ方がよいと記しましたが、袖丈や袴の長さなどについては、個人の好みによって異なることがあります。例えば、フルコン空手などでは袖丈は短めで、一方で袴は長めのタイプが好まれることもあります。このように、特定の空手流派や個々の好みによって、道着のサイズやデザインが異なることがあります。自分に最適な道着を選ぶ際には、個々の流派の指針や自身の動きや好みに合わせて選ぶことが重要です。
色
道着の色味についてですが、一般的な色は白です。道場によっては黒色の道着も採用されていたり、競技や大会などで使用されることの多い青色の道着も存在します。 特別な思いや、道場からの指定がない限りは、白い道着を選んでおくのが無難でしょう。
大会や競技を見据えて
大会や競技への参加を見据えるなら、それらの主催団体によって袖丈や袴の長さ、色やデザインなどの基準が決められていますので、それらの基準に合致する標準的なものを選んでおくのが良いでしょう。
道着の価格・メーカーについて
道着の値段は一般的には一万円前後のものが多いです。安いものであれば上下と帯の3点セットで3千円程度のものからあります。初心者や、成長の早いお子さんの場合はすぐに買い換えが必要になるかもしれないので、安価なものでも良いかと思います。 長く使い続ける事を考えるなら、信頼できるメーカーでそれなりの価格の物が安心です。
主要メーカー
参考までに主要な空手道着のメーカーを紹介しておきます。
- 東山堂:1989年に京都市上京区にて設立された武道用品メーカーです。剣道、居合道、合気道などの武道具や関連用品を専門に取り扱い、伝統を重んじつつも新たな挑戦にも積極的に取り組んでいます。企業のロゴマークは、『ほこどめ』の精神を象徴する「武」の字を用いています。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』東山堂 (武道具) - 九櫻:1939年に設立された武道用品メーカーで、「九櫻」ブランドで知られています。柔道衣を中心に、剣道衣、空手道衣、合気道衣、弓道衣などを手がけており、特に柔道製品は国内外で高い評価を受けています。「九櫻」というブランド名は楠木正成の家臣である恩智左近の紋章に由来しており、武道具専門店やスポーツ用品店では「九櫻=柔道衣とその関連品」として広く認知されています。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』九櫻
- ミツボシ:剣道、柔道、空手をはじめ多岐にわたるカテゴリの製品を取り扱う2015年に創立された武道用品メーカーです。剣道やなぎなた用品で2番目のシェアを持つ「武蔵号」ブランドで知られています。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』ミツボシ
- 東海堂:空手着、空手帯、および関連製品を製造する日本の会社です。世界最古の空手道着専門メーカーであり、高品質かつ高価格に定評があります。 出典:フリー百科事典ウィキペディアより和訳
- 守礼堂 :守礼堂は、空手発祥の地である沖縄で1969年に創業した老舗ブランドです。世界中の空手家から高い評価を受けており、数々の偉業を達成した沖縄出身の喜友名涼選手も長年愛用しています。東京オリンピックで金メダルを獲得した際も同社の空手着を着用していたことで、守礼堂のブランド価値はさらに高まりました。
- ミズノ:こちらは説明するまでも無いと思います。日本の大手スポーツメーカーです。
- アディダス:こちらもお馴染み、ヨーロッパでは最大のスポーツウェアメーカーです。アディダスでも空手道着を作っているんですね。
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空手道着は、汗や汚れをたくさん吸収するので、適切な洗い方をしないと、色落ちや縮み、臭いなどの問題が起こりやすくなります。そこで、空手道着の洗い方のコツや注意点をまとめてご紹介します。
空手道着の洗い方のコツ
空手道着の洗い方には、以下のようなコツがあります。
- 空手道着は、練習後すぐに洗うようにしましょう。汗や汚れが乾くと、落ちにくくなるだけでなく、臭いの原因にもなります。
- 空手道着は、白色のものが多いので、他の色物と一緒に洗わないようにしましょう。色移りのリスクがあります。
- 空手道着は、柔軟剤や漂白剤を使わないようにしましょう。柔軟剤は、生地を傷めたり、汚れを残したりする可能性があります。 また、空手の型を披露する際、柔軟剤で柔らかくなった生地では型の動作のキレを感じさせる道着の擦れる良い音が出なくなる欠点もあります。
漂白剤は、色落ちや黄ばみを引き起こしたり、生地を弱くしたりする可能性があります。 - 空手道着は、洗濯機で洗っても構いませんが、弱水流や手洗いコースを選ぶようにしましょう。強い水流や回転は、生地を縮めたり、型崩れさせたりする可能性があります。
- 空手道着は、乾燥機を使わないようにしましょう。乾燥機は、生地を縮めたり、型崩れさせたりする可能性があります。空手道着は、日陰で自然乾燥させるのがベストです。
- 空手道着は、アイロンをかけないようにしましょう。アイロンは、生地を傷めたり、光沢を失わせたりする可能性があります。空手道着は、シワになりにくい素材でできていますので、アイロンは必要ありません。
空手道着の洗い方の注意点
空手道着の洗い方には、以下のような注意点があります。
- 空手道着は、初めて洗うときや長期間洗わなかったときは、色落ちする可能性があります。その場合は、水に浸けてから軽く絞ってから洗濯機に入れるか、単独で手洗いするようにしましょう。
- 空手道着は、洗濯後すぐに干すようにしましょう。湿ったまま放置すると、カビや臭いの原因になります。
- 空手道着は、干すときに裏返して干すようにしましょう。直射日光に当たると、色あせや黄ばみの原因になります。
空手道着の洗い方や扱い方は以上のようになります。空手道着は、大切な道具の一つですので、適切な洗い方をして、長く使えるようにしましょう。
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