空手、オリンピックの夢再び遠のく
2021年の東京オリンピックで初めて正式種目として採用された空手。日本勢が3つのメダルを獲得し、世界中の空手家に希望と誇りをもたらしました。しかし、その喜びもつかの間、2024年のパリオリンピックでは実施されないことが決まり、さらに2028年のロサンゼルスオリンピックでも採用されないことが明らかになりました。
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なぜ空手は選ばれなかったのか?
ロサンゼルスオリンピックの追加競技として、野球・ソフトボール、フラッグフットボール、クリケット、ラクロス、スカッシュの5競技が選ばれました。これらの競技が選ばれた理由として、以下のような点が考えられます:
- アメリカのスポーツ文化との親和性
- 若い観客層への訴求力
- 既存施設の活用可能性
- 国際的な人気
空手は当初9つの候補競技の中に含まれていましたが、最終的には選考から漏れてしまいました。
空手界の反応と今後の展望
全日本空手道連盟の南澤徹専務理事は、この決定を受けて「多くの空手関係者にとって大変残念なこと」としながらも、「これからも空手の普及発展および競技力向上はもとより、学校教育での普及等を通じて青少年の育成に力を注ぎ、社会に貢献して参ります」とコメントしています。
空手界は「Break Through ~伝統に革新を~」というスローガンのもと、伝統を守りつつ進化を続ける方針を示しています。
空手の魅力を再考する
オリンピック不採用という結果は残念ですが、これを機に空手の本質的な魅力を再考し、アピールしていく必要があるでしょう。空手の持つ以下のような特徴を、より広く世界に発信していくことが重要です:
- 精神性と身体性の調和
- 礼儀作法と自己規律の重視
- 年齢や体格に関わらず生涯続けられる競技性
- 日本文化の象徴としての側面
今後の空手の国際大会
オリンピックでの実施は見送られましたが、空手は以下の大会で実施されることが決定しています:
- 2026年のダカールユースオリンピック(セネガル)
- 2026年の第20回アジア競技大会(愛知・名古屋)
これらの大会を通じて、空手の魅力を世界に発信し続けることが重要です。
挫折を糧に、さらなる発展へ
オリンピック不採用は確かに大きな挫折ですが、これを空手界全体の発展のための機会と捉えることができます。競技としての魅力向上、国際的な普及活動の強化、そして伝統と革新のバランスを取りながら、空手は今後も進化を続けていくでしょう。
私たち空手愛好家も、この決定に落胆するだけでなく、日々の稽古を通じて空手の魅力を体現し、周囲に伝えていくことが大切です。そうすることで、いつの日か再びオリンピックの舞台で空手の姿を見られる日が来ることを信じています。
空手道の精神である「空手に先手なし」の言葉のように、この逆境を乗り越え、さらなる高みを目指して邁進していきましょう。
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